伝統工芸品の商品開発・普及促進支援事業

公益財団法人 東京都中小企業振興公社

工房見学 結果報告

工房見学

※平成29年度の工房見学は終了致しました。

当プロジェクトに参加される製作者の方々の工房へ、工房見学に伺いました。
工房によっては複数回ご対応いただくなど、見学先の工房の皆様には多大なご協力を賜り、ありがとうございました。

<実施概要>

実施期間 平成29年5月29日~6月12日(11日間)
見学先の工房 23社
実施回数 60回(累計)
参加デザイナー 160名(累計)

工房見学レポート① 
~夢工房~ 穂積 実さん

穂積さんは、昭和26年から「江戸つまみ簪(かんざし)」の製作を行い現在66年目になります。
「江戸つまみ簪(かんざし)」は、現在七五三や成人式の際に女性の晴着のひきたて役として、髪を飾っていますが、その歴史はとても古いです。
つまみ簪(かんざし)が誕生する以前、生花や紅葉の枝を髪にさした“花かんざし”というものがありました。
源氏物語にも、この花かんざしを、髪刺(かみざし)と呼んでいたことが出ています。これには、“挿頭花”の文字があててあり、宮廷の集まりには男女とも髪や冠に髪刺をさして参席したということです。

“つまみかんざし”の名は、薄絹の「羽二重」を切手くらいの小さい正方形に切り、指でつまんで作ることに由来します。江戸時代の初期に生まれ、その製方は当時からほとんど変わっていないと言われており、現在は正方形に切った「羽二重」やちりめんをピンセットで摘まんで折りたたみ、組み合わせることで、花や鳥の文様を作っていきます。


この道66年の技術は、誰にも負けないと自負し、時代に合わせた、他にはない斬新な色使いや多様な花々の形作りなどの商品開発に力をいれています。

工房見学レポート② 
株式会社 龍工房 福田 隆さん 福田 隆太さん

龍工房の福田さんは、絹糸を熟練した技術を駆使して組み上げる「組紐」を用いて、女性が和服を着こなす上で欠かせない「帯締め」や「帯揚げ」などを製作しています。

「帯締め」は、江戸時代の後期に、亀戸天神社の太鼓橋の渡り初め式で、深川の芸者衆が太鼓橋に模した帯結びをし、その帯を固定するために使った紐が「帯締め」の始まりとなって、ファッションとして女性に広まるとともに、その実用性の高さから広く一般に定着したといわれています。

龍工房だからこそ出来る組む技術が生み出す締め心地や、江戸らしい粋な色使いがあります。

都内の工房では唯一、絹糸の製造、デザイン、染色、用途に適した組み、すべてをプロデュース可能であるため、現在さまざまな組紐の製作依頼があります。
近年では、組むという技術を発展させて、二重中空構造という今までにない新しい技法や、従来のものとは全く異なる幅を組むなど、伝統工芸の技術や職人としてのこだわりを持ち続け、常に新しいことにチャレンジし、商品開発に取り組んでいます。
新商品開発には、ワクワクする気持ちを持って取り組むことが重要と話されていました。

工房見学レポート③
刺繍工芸竹内 竹内 功さん

刺繍の歴史は古く、日本で刺繍が行われたのは、飛鳥時代に繍仏(しゅうぶつ 刺繍で仏像等を表現したもの)が数多く作られたのが始まりです。
江戸時代中期になると、経済力をつけた町人階級は、簡素な装いに飽き足らず、あらゆる染色技術に刺繍をくわえて絢爛豪華な着物を次々と生み出しました。
当時の刺繍職人は、縫箔師(ぬいはくし)・縫物師(ぬいものし)と呼ばれ、日本刺繍には、京風、加賀風、江戸風などがあり、江戸刺繍は図柄を置くときに、空間を楽しむような刺繍の入れ方をするのが特徴です。

職人は、糸の太さ、撚りの甘さなどを考えながら自分で糸を撚り、色とりどりの糸を使いながら緻密に、まるで細密画を描くように仕上げていきます。
竹内さんは、昔からある技法を、本金糸・プラチナ糸等独自の刺繍糸を使い、2本並べてとじ上げていく「駒縫い技法」を得意としています。
伝統の技を守り、伝えると共に、世代を超えても大切にされるようなものづくりに取り組みたいと話されていました。

<参加者の声>

●製造工程や使用する材料を実際に見せて頂いたことにより、その技術で製作可能な新たな商品案を発想することに繋がりました。
●職人さんによって異なる得意とする技術や考え方、お人柄も知ることが出来、自分との相性も想像できました。
●職人の方々に熱心に説明して頂き、プロジェクトへの熱意が感じられました。
●工房見学に参加して、初めて知る技術も沢山あり、職人さんの想いや特色を伺った上で、デザインできて良かったです。


お問い合わせ先

(公財)東京都中小企業振興公社 城東支社
「東京手仕事」プロジェクト 商品開発事務局
〒125-0062東京都葛飾区青戸7-2-5
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